全日本第2戦のもてぎ大会では、転倒に巻き込まれながらもポイントを獲得して現在ランキング2位を死守している岡村選手。
前戦の地元オートポリスでの初優勝は大騒ぎでした。
岡村にとってこの6年は短かったのか長かったのか。。。
ただの街乗り小僧にしてはやけにブレーキングが上手だった彼を、選手権に誘ったのが2008年。
その年の夏に本格的にサーキット走行を開始した。
HSR九州を走る岡村。
ストップ&ゴーのこのコースしか走らせなかった。
半年でメキメキレベルを上げ、翌年の2009年九州選手権へフル参戦開始。
2年間で結果を出せと両親に言われ、レース経験を積めるからとST600の国内、国際両クラスにWエントリーした。
レース経験もないライダーが一日2レースとかちょっとありえなかったが、とにかく2年で!!、が彼の頭にはあったんだろうね。
そして初戦でいきなりWウイン!
あの頃から決勝で自分の力を出し切るメンタルの安定度は抜群だったね。
ちゃんと走れたレースはほぼ優勝。 サーキットを走り出して1年のライダーがベテラン勢を抑えて九州の国内国際のWチャンピオンを獲得した衝撃のシーズンだった。
更にフィービーのサポートのおかげで、鈴鹿4耐にも参戦。 鈴鹿NGK杯では17秒を出してぶっちぎりで優勝した。
2009年は教えれば教えるほど吸収して、結果も出してどんどん速くなったね。
岡村はスピード調整能力が良くて、常に同じ走りが出来る。 同じ走りが出来るという事は、さっきの周と今の周のどちらがいいのか分かると言う事。
それとバランス感覚がすごくいい。 通常膝を擦って走ると路面への押しつけ具合でバンク角や体の落とし具合をコントロールするので、それなりにバンクセンサーは減るものだけど、岡村は1年使ってもほとんど減らない。 上手にバイクと上体のバランスを取っているんだろうね。
ミニバイクコースでも練習会をした。
岡村は1回走りだすと延々と走り続けていた。
鈴鹿4耐前、練習不足を補うためのビデオ研究。
手前右はこの後国際ライダーまで上がり、チームSUGAIから8耐にも参戦した蒲谷選手。
彼もバイクに乗り始めて数年で8耐まで駆けあがった異色のライダー。
免許取得はなんと三十代後半!
2010年は全日本デビューのオートポリスで予選5位。(決勝中止)。 鈴鹿MFJGPは11位。
2年で結果が出るスポーツなんてあるわけないだろ!・・・とよく話したけど、「やめる訳にはいかない結果」を出した2年間だったね。
まだまだトップライダーのライディングをしていない彼が、壁に当たらずにどこまで伸びるんだろうと興味津津見ていたけど、2011、2012年にRSG&ドリーム北九州でフルエントリーした年がそれだった。。。
悪いところは明らかなんだけど圧倒的に経験が足りない彼は、それを修正する引き出しを持っていなかったね。 それとギリギリのチーム体制で選手としての余裕を持たせて上げられなかった。
でもあの2年で考える事の大切さが身に沁みたと思う。
昨年はそれまでお世話になったホンダさんには本当に申し訳なかったけど、レースを続けられるかどうかの瀬戸際の中で、レンタル移籍でツキギさんに預けたアジアチャレンジだった。
初めてのコース、初めてのカワサキマシンで色々勉強出来たことで走りの幅が広がったよね。 本当によく伸びてくれたと思う。
アジア選手権のオートポリスラウンドで走りを見た時、ずっと課題だったコントロール力が上がっているのに驚いたよ。
レースを始めて5年で海外のレースを体験出来るなんて幸せだ。
今回の優勝は、地元サーキット、昨年も履いてたDL、と有利な要素はもちろん多かったけど、それを勝ちきるメンタルの優秀さは相変わらずだった。 『勝つイメージしかないです!』 とまだたいしてタイムが出ていない時から公言していた。 アスリートとしてプラスのイメージを持つほど大切な事はないからね。 充分ありえるな・・・と思っていた。
まだまだライディングを進化させないと。。。と心配のネタは多いけど、最近の走りを見れば伸びシロはまだまだあるから、どんどん進化させてチャンピオンを取って欲しいね!
そしてもう一人嬉しいライダーが!
オートポリス、もてぎレース1、更にタレントカップといきなり連続で優勝した九州のライダー。
そう鳥羽海渡くん!
NSF100でスクールに来ていた頃を思い出すな〜
スクールの模擬レースで、CBR1000RRに乗るボクに負けて、微妙な表情をしていた海渡くん。。。
まだ背がちっこい海渡、向かって右には今年も鈴鹿4耐にチャレンジする尚樹。
みんな頑張れ!!
彼はあまり喜怒哀楽を表に出さないけど、そもそも心の振幅の幅が少ないのかもしれないね。
それが大会本番でいつもの実力を出せる最近の若いスポーツ選手の特徴だな。。
全日本を制した九州のニューヒーロー二人。
「しっかり先を見て」。。。そして「じっくり今の自分を進化」させて欲しいな。。。
いつもバタバタしているんだけど、今年は特に仕事が追いついていない・・・
仕事の段取りが悪いのか、能力が落ちたのか・・・
イベントのスケジュールが悪いのか、レースのスケジュールが悪いのか・・・
など理由を考える間もなく前半戦終了^_^;。
毎年3月位からGW終了まではもともと息つく暇が無い。。。イベントも始まるし、レースも例年なら3月末から九州選手権が開幕! 4月にオートポリスの九州第2戦。 そして5月中盤に地元全日本といういい流れなんだけど、今年は全日本がひと月前倒しで組み込まれた!!
しかしHSR九州での九州選手権初戦はいつも通り3月末。
という事は九州第2戦オートポリスは、全日本の後だろうな。。。と勝手に思っていたらしっかり間に入って来ましたよ・・(+o+)。
2週間ごと3レース!! いやいや甘い!
九州R1、R2の間の週には、CBRCUPという隠れキャラ・・・ではなく重要なレースがハマり込み、3週連続・・・。 そして全日本事前テストに突入で4週連続。
最後は大本番の全日本選手権の5週連続ですがな。。。^_^;
全日本1週間後のAPでのスクールには西山もインストで参加。 空が凄い!!
激動の全日本が終わればGW突入!!で、誰がRSGのスケジュールを組んだか知らんけど(苦笑)、GW中に3つサーキットでそれぞれスクールイベントをやりきり脱け殻となったミナキです。。。
全日本もいい天気で観客も来ていたし、RSGイベントもキャンセル待ちが出るほどのにぎわいで本当にありがとうございます!!
サポーターの皆さんいつも応援ありがとうございます!
皆さんのおかげでRSGはレースが出来ています。
さてさて。。。全日本選手権に参戦した西山尚吾、岡本雄一郎、東野賢悟の3選手は、今年も確実にレベルを上げ進化してくれた。
それぞれの目標があった訳で納得はしていないだろうけど、まずは『進化』これしかない。
進化の先に目標達成があるわけだからね。
日々進化なんて出来なくていいと思う。 1ヶ月でも進化出来なければ1年単位でいいじゃない。
1年前の自分より平均点が進化していればそれでOK!。。。でもこれって実はすっごく大変なんだ。
伸び盛りは日々進化する。 もちろん伸び盛りにいかに伸びるかはとても大切。。。でもそんな時期って長くは続かない。
日々進化、レースごとに良くなれれば誰だって頑張れる。。。
1ヶ月前の自分から変ってなかったり、もしかしたら退化していたり。。。そんな中で進化するためのモチベーションを持ち続ける事がどれほど大変か。。。そのモチベーションに栄養を与え続けるのがボク(コーチ)の役目だ。
もちろんコーチを信じて、地道な作業をやり続けられ我慢強さが選手には必要で、スポーツという「体育会系」的な事をやっていながら、最終的には「職人気質」ってやつかな。。。それも「変化を求める職人気質」を持っている選手が数年後には1ランク上のところにいる。
これ以上どうやったら進化出来るのか。。。選手は皆思う事だけど、どんな選手も伸び白は無限大。
ライディングを見たら問題点はすぐに分かる。 一般のライダーが出来ないことと、レーシングライダーが出来なくて進化が止まっている事の要因は8割がた同じなんだ。
スクールで毎年何百人ものライディングを見るにつけ、ライダーがコーナーリングに対して持っているイメージと、本当に必要なイメージが間違っていたり、正しいポイントで必要な操作をしていなかったり(これもイメージの違いで起こる事も多い)で、多少の違いこそあれレーシングライダーも同じ間違いや同じ悩みを持っている。
なのでレーシングライダーに対してボクがしているアドバイスは、いつもスクールに参加していただいているライダーの皆さんのおかげなんだ。。。感謝感謝。
そんなアドバイスをどう自分の中に取り込むかが問題。。。言葉なので捉えようによって解釈は変ってしまうからね。 「こうしろ!」と言ってやらせても「なぜそうなのか?」を理解していないと全く進化しないからボクとライダーとの話はいつも長くなる。 走行後はライダーがミーティングの順番待ちをしている事もしばしば(笑)。
そしてもっと難しいのが「なぜそれがいいのか?」を理解しても、「自分のライディングがどうなっているのか?」が客観的に分かっていないと直しようがないこと。
RSGでは自分のライディグをイメージするためのミーティングや練習方法をしつこくやる。
自分を分析出来ていない選手に対していくらアドバイスしてもほとんど意味をなさないからね(これはこちらもツライ。。)。
逆にいえば自分を見れる選手は、正しいアドバイスをどんどん取り入れてどんどん進化する。
岡村光矩は最初からこのセンスに優れていたね。
感性だけの選手はすぐに頭打ちしちゃうよね。 乗るセンスは多少劣っても、今の自分を「進化」させられる選手は数年後には必ず上にいるよ。 気合だけで走れるのは数年だけ。。。ほんともったいない選手が多いと思う。 レース界の損失だよね。。。
どんな選手でも必ず進化させ続ける事は出来るけど、それにはまず自分を知る事。
走ってる自分をもう一人の自分が客観的に観察出来るようになる訓練が必要です。
イチロー選手、北島選手、羽生選手。。。トップアスリートは自分を客観視する能力に長けている人が多い。 これも能力の部分もあるけど意識と練習方法である程度は変えられる。
ライダーがレーシングスピードで走っている間は一人きり。誰も近づいてその瞬間をアドバイスしてあげる事は出来ないからね。 これが他のスポーツとの大きな違い。
だから最終的にはライダー自信が、自分自身のコーチになるしかないんだ。
まだまだトップクラスは遠いけど、来年また彼らの進化を見たいものです。
『進化』こそ全て・・・
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