ミナキのつぶやき

Dr.ミナキの目線・回診録
たま〜に つぶやきます

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2018/02/13 (火) | -
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「考えて走れ!」 

「走りを考えるんだ。」




このセリフにピンと来た人は相当なお宅!? ・・・そうあの「バリ伝」の1巻。 まだCB750Fで峠を走りまわるグンがバイク屋のおやじに言われたセリフだ。
30年近く前(!)当時17か18才だった僕はこの言葉になにかグッときた。
3ナイ運動ってやつが吹き荒れまだ免許さえ持っていなかった高校生のミナキがなんでこんな言葉にグッときたのか・・・、ただカッコよさとスピードに憧れていたバイクのイメージが少し違うものに変わった瞬間だった。


スポーツ選手にはいろいろな要素が必要だし、その要素の足りている部分と足りていない部分が補いあっているわけだけど、その中でも「考える」という要素の足りない選手はトップにはなれないし、何しろ自分のレベルが上がっていかないから面白くなくなり競技をやめてしまう。


スポーツコーチングの一番大切な要素に「モチベーションの継続」 というのがある。 やる気があれば選手は自然にうまくなるっていう理屈。 ではどうモチベーションを維持させるか? 目標の設定はもちろんだが、今抱えている問題を解決出来るかもしれないヒントを示し続ける事。 それも押しつけではなく、とことん話し合って何故それがいい方法なのかを理解(了解)しなければ意味がない。


オートバイレースでのレベルアップが難しいのは、この競技がスポーツだという認識がない事。 
ほとんどの人はただバイクが好きだから乗り始めただけだし・・・結局実際に走っているのはライダーではなくバイクだし・・・バイクによって性能も違うし・・・これではなかなかライダー自身もスポーツマン意識にならないのも無理はない。
しかし!! 走らせているのはライダー。 150キロの車体に対しライダー60キロ。
総重量の30%もあるライダーが自立しないマシンの上を右に左に動き回る。 これがスポーツでなくて何がスポーツなの・・。 現役時代からずっとこの思いはあった。


レースをするライダーもみんなオートバイが好きだからオートバイに乗る。  そして走っているのはライダーじゃなくてオートバイだから、タイムが頭打ちするとどうしてもその好きなオートバイをいじろうとする。 振られたり、暴れたり、ちゃんと拭け上がらなかったりすればそれは直さないといけないけど、普通に走る状態(メンテ済み)ではバイクをどうこうするんではなくて、走りをひたすら考えて欲しい。 走りをひたすら詰め欲しい。 これがスポーツとしてのライディングだ。




ここからは本気でレースに取り組むレーシングライダーの話・・・・
最近は言われなくなったようだが、RSGの岡村ミツのマシンは『速すぎる!?』とあっちこっちで噂されていたみたい。 岡村号はAPの全日本まではほぼノーマル状態なのにね(笑)。 足回りを少し調整した程度だった。 色々と変えてコメントさせるトレーニングはするけど基本的にはまた元に戻す。 彼はストレートの前のコーナーが抜群にうまいからスピードがえらく伸びるんだよね。 鈴鹿のNGK杯で優勝した時は唯一R6と変わらないトップスピードを記録していた。(てゆうか直線で抜いてたし・・)  彼がいい感じで伸びているのも走りに集中出来ていて、ライディングのレベルを上げられているからだ。
九州ではよく燃調の事などが話題になるけど、関東や関西のチーム関係者やメーカーの方と話をするとST600クラスに関しては、「う〜ん燃調ね〜好み程度だよね。 やっぱりライダー次第だよ!」的な話が多いな。


とにかく普通に走る状態ならライディングを考えさせた方が全然うまくいく。 ライディングの事(速く走る方法論)がよくわかっていて、自分がどんな車体なら速く走れるか明確に説明できて、変更したポイントの善し悪しが判断出来る。 こんなライダーに成長したら色々ある選択肢の中から正しい物をチョイス出来るだろうけどね・・。 残念ながらRSGにはまだまだこの域に達しているライダーはいない。だから選択肢が増えてわざわざ集中力を取られるようなセッティングに時間を割くことはしないわけだ。(合同練習などでセッティングを変更してのコメント練習の時は別)




走りをとことんまで考える・・・コーナーをとことんまで効率よく攻める・・・こんな肝心なことが疎かになっていないだろうか。 タイムが頭打ちになるとすぐにバイクに頼ろうとするけど、ホントにこれが限界って自問自答してほしいな。  プラスαをバイクに求め始めた所からスポーツ選手としての衰退がはじまっているかもしれないから・・。





そんなライディング スポーツの問題点を30年前にズバッと言っていたグンのバイク屋のおやじさんは偉いね・・・じゃなくて言わせた「しげの秀一」さんは偉いか・・笑
・・・っとこんな締めでよろしいでしょうか50歳を前にしてグンヘルのベジトマさん! (^_^;)






2010/06/20 (日) 13:14 | -
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